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2012年6月

2012年6月 6日 (水)

Ainupuri

 近年 偉大なエカシやフチ、そして
たくさんの事を教えてくれた大切な人たちが
リクンカントモシリへと 旅立っていった。

日々、季節は移り変わり
何気ない毎日を送りながらも
何かが少しずつ 確実に変わっていく中で
また、今日一人、
アイヌ文化において、多くの貢献をされてきた方が
天へと召された。

その事を知る、ほんの1時間前、
ある高校の修学旅行生が
新しくできた『イコロ』で、
アイヌ古式舞踊を見学していた。
公演が終わり、学生たちと一緒に記念撮影をしている時
後ろの列に並んでいた女子高校生が小さくつぶやいた。
『アイヌ人て、日本人?』
聞いちゃいけない事かな?でも聞いてみたいな。
という感じの言い方でこっそりと隣りのお友達と
話していたので、何だか無視できずに…。

「ん?アイヌは日本に住んでるアイヌ人だよ。」

わかったような、わからないような、
でも、ニコッとしてくれたあどけない女子高生を見て
ちょっと、ホッとした。

でもその後、自分の言った言葉は、
いったいどうなんだろう…??と、悶々とした。
アイヌ人て、どこからどこまでがアイヌ人?
となると、日本人は、どうなんだろう…。

と、思考の回路にグルグルしながら
『カムイと生きる』という浦川治造さんのフライヤーを
コタンに配りながら歩いていた矢先、
ある方の訃報を聞いた。

その方は、昔からの古い着物や資料の本などを
いつも快く見せてくれたり、送ってくださったりと。
アイヌ文化の持つ、懐の深さというのか、
奥深さを、そしてその素晴らしさを、
さり気なく、でもどこか強い信念を持って、
教えて下さった方だった…と、今更ながら思っている。

遺作の『アイヌプリ』という、DVDを見るほどに
先立っていった、エカシやフチ、
アイヌ文化を支え続けた方々の思いを
ほんの少しづつでも、出来るところから
繋いでいけたら…

と、思いふけっていた、夜でした。

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