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2010年12月

2010年12月 7日 (火)

初冬 

窓の向こう側には、深々と降る雪が 森の木の枝に乗り、
白い世界に早変わり… な、今日の阿寒湖です。

しかし、今年はまだシバレがこないなぁ~・・・
もう、12月の中旬近くとなるけれど、 
なんだろう…この暖かさは。

それでも、夜空を見上げると、空が澄んでて星がとても綺麗です。
この頃は、やっぱりオリオン座が目につきますね。

以前、紹介した、『シアプカノチウ』(天翔ける大鹿)と言われていた
オリオン座、他にも、『イヌンペシッケゥオロカムイ』(炉縁の隅におられるカムイ)
とか、色々あるようです。

 

が、今日は、【ふたご座】にまつわる伝説をご紹介します!

【アシルペノカ・ノチゥ 】 クマの耳の形をした・星

初冬の東の地面に流れこむペッノカ(天の川)の北岸に、
上流(右)から下流(左)へふたご座が並んで見えてくる。

アイヌモシリでは、ふたご座の
αρ星(右側?)を結んで、熊のハラシキ(haraki‐usi 左側に・生えたもの)
βσ星(左側?)を結んで、シモノシ(simono-usi 右側に・生えたもの)
といい、この両星を、熊の一対の『耳』に見立て
アシルペノカ・ノチウ(sa-rup-e-noka-nociw 
立っている・頭・頭{熊の頭の耳}・の形の・星=熊耳星)と呼んでいた。

熊は、ほかの鹿などのような単なる狩猟の対象となった動物と違い、
倒されたあとも、「キムンカムイ」(山の神)の仮装として、
丁重な取り扱いを受ける。

昔は、熊を解体するときに、両耳と目から先の部分を
頭蓋骨に残してオルシクルマラット(頭蓋骨に皮のついた頭)
にするのが、作法になっていた。
(だから、アイヌの風習を大切にする猟師の持ってくる熊の毛皮は
商売物にならなかった。)
この風習は、アイヌモシリに出没する熊の霊、
言いかえると、熊(動物)の仮装をしたカムイそのものは、
仮装した熊の両耳の間に宿っているという信仰に由来するものである。
このような観点からすると、
アシルペノカノチウは、もともと頭のない耳だけの一対の星で、
アイヌはシモノシ(右耳)とハラキシ(左耳)の間の虚空に、
キムンカムイの霊姿を見ていたのではなかったかと思われる。

オウコッペコタンに 一人の男がいた
その男は いつも 熊を殺しても
送らないで放っておいた

家族は誰一人いなかった

ある夜のこと 一杯ひっかけて
炉端にゴロリと横になった

夜が更けて 人の声がするので
起き上がってみると
大勢の人が炉端に集まって 
話をしているではないか

自分はと見ると 小さな人間となって
ヌサの上の熊の耳の間に 座っている

その上から 座を見渡すと
多くの見知らぬ人たちが
酒盛りをしている

いくら声を出しても叫んでも
なにも聞こえないらしく
彼らの声がしだいに高くなる

そのうちに ひどい目まいがしたので
目をつむると 周囲がぐるぐるまわり
ぐんぐん身体が落ちていく

じめじめしていて 気持ちの悪い
気配がしたので 
静かに目を開けて見ると

そこは ティネポクナモシリ
湿った地獄の底
日の射さない 薄暗い 夜のような世界

そこに 目ばかりギラギラした
色々な生き物が いろいろなカムイが
うごめいている

苦しそうな声が 闇のなかで響き
絶望のうめきが
身体を突き抜ける 冷たい闇

その中で 近づいてきて覗き込む 顔顔

見憶えのある
狩り立てた熊の顔顔
悲しそうにゆがんで ものいわぬ顔

助けて欲しい 物ぐるおしく叫ぶ
そこは再び 熊の耳の間

炉端の人びとをよく見れば
いずれも キムンカムイの仮の姿

あっと驚くと 胸の息苦しさに 目が醒める

日射さんさんと 炉端にあたり
家には 自分一人がいるばかり

それから 男は カムイに謝り
狩りのたびに 正しいアイヌの風習
人の道に違わぬ扱いをした

その男は 狩りの前夜に 
金色と銀色に輝く二つの星
アシルペノカノチウに イナウを立て
狩りの豊かなることを 心より祈った

それから男は 妻を娶り
子供を授かって
幸福に暮らした。


【末岡 外美夫 著  人間達(アイヌタリ)のみた星座と伝承】

から、抜粋させていただきました。

さぁ~て、ふたご座探しに 星空を見に行かなくっちゃ~!!shine

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