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2009年12月19日 (土)

しばれるよぉ~

ここ数日、凛とした寒さの続く阿寒。

寒さが厳しければ厳しいほど、夜の星は、青い空にキラキラと瞬いて、
冬の夜空の美しさに見とれてしまう日々です

そんな冬空を見上げると、まず最初にオリオン座が目に止まります。
真ん中の三星が、目立ちますねぇ~

アイヌの星座の伝承の中では、オリオン座にまつわる
伝説が沢山ある様ですが・・・今日はこのメニューでいってみよー!

『シヤプカ』(大鹿)

~天駈ける大鹿~

アイヌモシリの中・北部の山岳地方では、
オリオン座のa.b.v.k.星(たぶん周りの4つの星のことかな?)を、
夜空を駈ける大鹿の姿にみて、シヤプカ(siyapka大鹿)
あるいは シアプカノチウ(大鹿の姿をした星)と呼んでいた。

シヤプカの中央にある「オリオン座」(デルタ、エプサイラン、ジータ)星は、
大鹿の腹部に刺さったアイ(矢)の形に見て、
アイノカノチウ(ay noka nociw 矢 の形の 星)ともいう。

この星座について、アイヌモシリ北部には、
次のような物語が伝わっていた。

長年の間
仲間や子どもたちの群れを率いて
よくここまで来たものだ
でも 近頃の群れの様子はどうだ

昨日は子を呼ぶコンレッテ(笛)にだまされて
アイヌの毒矢に倒れた母鹿

一昨日は イレッテプ(鹿笛)にひかれて
アイヌの毒矢に倒れた雄鹿

一昨昨日はリッテプ(笛)に魅せられて
アイヌの毒矢に倒れた雌鹿

その前日も、その前日も
アイヌのユクライケニ(鹿を殺す木)=ニガキ)の矢
エカシ・シロシの無い矢で
仲間たちが倒された、
それはそれで良い だが

ラマッ(魂)の送りのない
矢の射込みは 惨殺ではないのか

ユクカムイ(鹿の神)の魂は私の心を揺さぶる
なるが故に 私は怒り狂う

霊力をもって アイヌの姿になった私は
旅人の姿でコタンに入った

旅人といえば 
私たちも遠いところから
旅をして来たように思う

幾世代も昔から 時の流れに従って
いろいろな風景 いろいろな物事を
見てきたような気がする

これから起こることも
連続した時の流れに添う 旅のひとときか

コタンの中央 小高い丘の麓の
酋長の家を尋ねた

私の咳払いの声に応えて
年老いた酋長夫婦は
私を快く迎えた

立派な家 立派な宝物

カムイノミに続いて 次から次へと続く
山ほどの珍味 そのご馳走を運ぶ
末娘の美しさ

夜更けて明け方まで 
酋長と杯を交わし 話が続いた
その間 もの腰柔らかな 末娘が
傍で かいがいしく仕えた

翌日は昼に起き それからコタンを巡る
夜は再び 酒とごちそう

私の話が面白く 酋長の話が重なり
夜更けて 尽きることがない

そうしたある日 私と末娘は
小さな沼の葦の原を歩いていた
二人だけの時間 雲は蒼空に少し
風は頬にやさしく
彼女の髪は 肩から胸に流れる

遠くにムックリの音
高く 低く 胸に切なくひびく

その夜 私は
酋長に 末娘をもらいたいと申し出た
その答えは 応 だった

だが その翌日
末娘の母がよんだ トゥスクル(巫者)が
酋長の家に来た

アペフチカムイ(火の媼の神)に祈り つづいて
私のトゥレンカムイ(憑いている神)を
祈り苦しめる その霊力の強いこと
体はしびれ 
心に重い石が乗るようだ

そのうちに 私の姿は消え
たちまち 雄の大鹿の姿となる

私はトゥスクルを 蹴殺して
酋長の家から 走り出した

酋長夫婦の ののしり声と
末娘の 悲痛な声を後にして
駆けに駆けて 天まで駆けのぼった

それから私の同族たちは
山を下り 谷を越えて
そのコタンの近くから 姿を消した

そのために 
コタンのアイヌたちは食べ物に困り
飢えているのである

と 雄の大鹿が語った

【人間達(アイヌタリ)のみた星座と伝承 著者 末岡外美夫】

より、抜粋しました。 

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コメント

素晴らしいです。
ピュアな野生に触れることによる感動と戦慄。

投稿: ポロンノ亭 | 2009年12月19日 (土) 10時59分

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