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2009年9月

2009年9月27日 (日)

レラ・チャロ ~風の口~

秋の香りを乗せて、秋風が吹くこちら阿寒湖。
この秋の香りは、どこか哀愁を漂わせるものがありますね。。。

さて、《レラ ・ チャロ》 と題しましたが、
この頃手に入った本で、天体に関するアイヌの伝承の中から、
この、「風の口」 という発想が、とってもおもしろかったので、
抜粋してご紹介します!

レラ ・ チャロ  ~風の口~

風の吹出口

夕暮れの水平線に歪な四角形を描く「カラス座」の

四星が昇ってくる。

アイヌはこの台形の星をレラチャロ(風の吹出口)と呼んだ。
アイヌモシリではレラチャロ四星が東空に昇る頃から

メナシレラ(東・風)が吹出し、
西の山裾に沈む季節になるとスムレラ(西風)が吹く。

アイヌはレラチャロの位置の移り変わりから、
季節風の吹く方角を知ったという。

~風の儀式~

アイヌモシリの川にチェプ(われらが食うもの=鮭)が

遡上し始めるのは、平年7月中旬あたりからで、

この頃になるとレラチャロはだいぶ西に傾いている。

8月に入っても毎日のようにメナシレラ(東風)が吹きつける年は、
川口から鮭が遡上してこないという。

そのようなときは、コタンから四人の若者を選んで、

それぞれメナシレラ(東風)、
ピカタレラ(南風)、スムレラ(西風)、マクナウレラ(北風)の
四方位の風のカムイの仮装をさせる。

メナシレラはこの場合ウエンカムイ(悪い神)とみなされるので、
黒く汚れた着物を着せられ、イノカ(神の形)の

無い粗末なイナウル(礼冠)を乱れた髪の上に載せられる。

一方、ほかの三人の風のカムイになる若者たちは

礼装を着用して、イノカのついたイナウルを戴く、

このイノカは地方によって異なる。

十勝以北では三人の風のカムイは同じ

イヌンカムイ(漁をするカムイ=縞梟)のイノカを用いていたが、

天塩川流域以北では、

イヌンカムイとノトコッチカプ(凪を所有する鳥)と

ホロケウカムイ(狼のカムイ)を
それぞれ西、北の風のカムイのイノカとしていた。

儀式は、東風の象徴であるメナシレラのカムイに

仮装した若者が他の三人の風のカムイに

水や砂を掛けて暴れまわるところから始まる。

やがてメナシレラのカムイが三人の風のカムイに

水辺に追いやられて、びしょ濡れになった姿で

平伏して陳謝したところで儀式は終わる。
東風のカムイが他の風のカムイの圧力に屈して

静かになったわけである。

この呪術劇は、メナシレラを追い払って鮭を迎える
ペウレチエペ カノキ ノミ (走り鮭を迎える祭り)にも行われた。
この祭りでは東風に白、南風に赤、西風に黒、

北風に紫 の帯状の布を用いることもあった。

【人間達(アイヌタリ)のみた星座と伝承】 著者 末岡外美夫

より、抜粋させていただきました。

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2009年9月21日 (月)

シルバーウィ~ク!! 

っということで、ゴールデンウィークならず、
SILVER WEEK でございます。

昨日今日と、沢山のお客さんが来られてて、
賑わいを見せている阿寒湖温泉です。

阿寒の山も、少しずつ紅葉してきて、
今年は、きれいな色どりを、見せてくれそうな予感…❤

先日は、いつものシメジ畑へ…
「私の畑clover」と思っていたのに?!
一歩遅かったぁ…
シメジをきれいに取り去った後へ行ってしまったぁ 涙
Cimg4334
でも、オシロイシメジ 採れたし、
オッケー オッケー 
やっぱし、山はいいですね。

帰り道・・・
アザミがきれいだったので、パチリっと写したら…
虫ちゃんが・・・こちらを見ていたよ。。。
Cimg4337

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2009年9月 1日 (火)

~ キツネにつかまった日の神 ~

たった一人の日の神が、夜も昼も空をまわって世界を照らしていた。
その、日の神様の仕事を妬んでいるものに、

シトンピー・チロンノップという悪いキツネがいた。
「何とかして、あいつを天上から追っ払って、

俺がかわりに天にのぼり、俺の顔をピカピカさせて、
世界中から尊敬される身分になりたいもんだ」
シトンピー・チロンノップは暗いハンノキの森の中で、

そのことばかり考えていた。

日の神チュプカムイも、もう相当の歳なので、

近いうち子供のポンチュプカムイに位をゆずろうとしていた。
それを知ったキツネは、こっそりポンチュプカムイをさらって、
ハンノキの森の奥の方に、恐ろしい棘のある

セタンニ(蝦夷小林檎の木)を六重にまわし、
その中に茨の垣を六重に囲った中に閉じ込めてしまった。

日の神は後継の子が見えなくなったので、
毎日悲しみに顔を曇らせ、その流す涙は大雨になって、

地上に降りそそぎ、草も木も元気なくうなだれるばかりだった。

シトンピー・チロンノップは6人の娘がいたが、
五人の姉は、どれもこれも親ゆずりの悪性者だが、

一番末の娘だけは、心のやさしい正しい考えを持っていた。
そのため親ギツネや姉から嫌われ、

いつもやな仕事ばかりいいつかっていたが、
ポンチュプカムイを養う役も、その娘の仕事だった。

娘は何とかして、可哀想なポンチュプカムイを

助け出したいと思っていた。
食べ物も、遠くの森や原野に出かけて、

木の実や草の実を集めてきては元気づけていた。
親ギツネは何とかして早く、日の神の子供を殺してしまおうとするのだが、
いつも逆にポンチュプカムイの為にひどい目に合わされて、
なかなか手を出せないでいた。
それは、妹娘がこっそり親ギツネの

シトンピー・チロンノップと姉たちの企みを
皆ポンチュプカムイに知らせるからであった。

ある晩、妹娘がウトウトしていると、

親ギツネ達がこそこそと相談しているのを耳にした。
「明日、六人が皆同じ姿をして並んでいて、

誰がお前を養った娘だかをあてさせる、
それを三度やらして、一度でも間違ったら殺す」
恐ろしい話だ。
妹娘は眠っているふりをしてすっかり聞いてしまった。
「大変なことになった。どうしたら

、ポンチュプカムイを助けることができるだろう」
末娘はどうしても眠ることができないので、みんな寝しずまると
そっと起きだして、ポンチュプカムイの垣に近より、
眠っているポンチュプカムイに夢を見せて知らせた。

「とても、いくらあなたが偉くとも、私たちの顔や姿を見ていたのでは、
私と姉を見分けることができません。どんなに場所が変わっても、
足の親指を動かしているのが私ですから」

朝になるとシトンピー・チロンノップが言った。
「今日はお前の世話をした娘がどれだかあてさせる。
もし間違ったら、お前は恩知らずの罰に、

セタンニ(蝦夷小林檎の木)を倒して殺してしまう。」
六人の娘が同じ姿をしてポンチュプカムイの前に並んだ。
本当にどの顔を見ても同じ、六人とも全く見分けることができない。
しかしどこへ並んでも、足の親指を動かしているの

を言い当てるとピタリと当たった。

まんまと失敗したシトンピー・チロンノップは、天に駆け上がって、
子供のいなくなったのを悲しんで病気になっている、

日の神向かって飛びかかっていった。
日の神は、真黒い雲が身体の上にのしかかり、

次第に身体が下に下に落ちて行くように思った。
「わたしはもう死ぬだろう」
日の神は静かに目をとじて思った。だんだん気が遠くなる。
すると急に下の方から、賑やかな人間の声がしてきた。

チュプカムイ ホーイ (日の神よ)
エライナ   ホーイ (あなたは死ぬよ) 
ヤイヌパ   ホーイ (息をふきかえせ)

その賑やかな歌声が、次第に下に落ちて行こうする日の神を、
上に上におしあげて、やがて明るい青空の中にまで押し戻してしまった。
日の神がそっと目を開けてみると、

下の世界では大勢の村人たちが、
手に手に槍や弓や刀を持ち、

女たちも拳を振り上げて何かを追っている。

やがて一本の矢が日の神を包んでいた黒雲に突き刺さると、
そこから矢に射抜かれて、虹のような血を噴き出しながら、
シトンピー・チロンノップが、

ずっと下の方の暗闇の底へ落ちて行った。
同時に森の中が急に明るくなって、燃えるような雲に乗った
新しい光が空に舞い上がってきた。
 妹娘に助けだされたポンチュプカムイが天に帰ってきたのだ。

それからポンチュプカムイは、歳をとったチュプカムイにかわって、
夜の空をまわるクンネチュプカムイ(お月さま)になり、
心の正しかった妹娘はチュプカムイ(日の神)になって、
美しい顔を輝やかして、昼の世界を照らすことになった。

それでも性懲りのないシトンピー・チロンノップたちは、今でもまだ時々
隙を狙って近寄るので、日蝕や月蝕が起こるのだ。

【釧路弟子屈町屈斜路 ・ 弟子 カムイマ翁 伝承】

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